腎センター

川崎医科大学附属病院 腎センターは透析装置19台を保有し、最大57名の透析治療に対応可能です。とくに、心血管系合併症や低栄養、感染症などを合併した重症度の高い透析患者に対応すべく、最新医療機器が配備されています。スタッフ数は、腎臓内科医師4名を中心に、看護師12名、臨床工学技士5名、管理栄養士2名の計23名です。透析専門医2名、透析技術認定士4名、糖尿病療養指導士1名と、専門資格を有する充実したスタッフを配置しており、重症度の高く病態が複雑な患者に対し安全かつ最新の透析医療の提供と、QOLを考慮したセルフケアのサポートが実践できる中央診療部門としても運営しております。また、当センターは在宅療法として期待される腹膜透析治療にも力を注いでおり、専用のCAPD室を併設しています。


特徴・特色

川崎医科大学附属病院の腎センターは、主に急性期治療を目的とした透析患者さんの維持透析治療を担っています。その他に、透析導入や腹膜透析と血液透析の併用療法(ハイブリッド療法)、バスキュラーアクセス機能低下に対する検査、血管内治療(PTA) 、合併症を多く有した慢性維持透析患者さんに対する透析治療を行なっています。また、腎センターの隣に、 CAPD診察室ならびに処置室をもうけており、 腹膜透析治療の積極的な導入も行っています。

 

 

設備について

 

腎センターでは、多人数用透析装置12台、個人用透析装置6台を用い、維持透析治療を担っております。重症な患者さんに対して、安全かつ効果的な透析治療を行うために、生体情報モニタや超音波エコー装置、除水に伴い生じる血管内脱水の評価ができるBlood Volumeモニタなどを保有しています。また、 on-Line HDF対応機種も導入しており、現在、 on-Line HDF導入の準備を行っております。 2014年より透析情報管理システム (Future Net Web:日機装)を導入し、電子カルテならびに透析装置と連動し、透析記録の自動取り込みを行っております。

 

 

 

 

 

 

 

水処理装置(TW-HI:東レメディカル)

多人数用透析液供給装置(DAB-20E:日機装)

多人数様透析装置(DCS-73:日機装)

多人数様透析装置(DCS-100NX:日機装,on-Line HDF対応機)

個人用透析装置(DBG-02:日機装)

個人用透析装置(DBG-03:日機装)

個人用透析装置(DBB-100NX:日機装)

 

超音波エコー(Sonosaite)

生体情報モニター(:フクダ電子)


Topics

腎センターに関する最近の話題について紹介していきたいと思います。


MEの業務内容

腎センターにおける維持透析治療について

 

透析治療を開始する作業は、患者さんに穿刺する者と機械操作を行う者と2名体制で行なっています。また、比較的インシデントが発生しやすい開始前、開始直後のタイミングで、ダブルチェックを行うことにより、透析治療の安全性を担保しています。

              腎センターにおける特殊血液浄化法の施行

 

               血漿交換や血漿吸着療法、白血球除去療法(G-CAP,LCAP)、LDL-

               コレステロール吸着療法、難治性腹水に対する腹水濃縮再静注法

               (CART)など、様々な特殊血液浄化法を実施しています。また、治療

               を行うに際し、最新の血液浄化技術を吸収しながら、安全かつ効果的

               な特殊血液浄化法の実施を心がけています。

 


               写真は、難治性腹水に対するCARTを行なっている様子です。CART

               では、腹水中に漏れ出た有用なタンパク成分を回収し、再び、静脈に

               返す治療方法です。当院では、有益なタンパク質を高効率で回収する

               ことができるCARTの治療条件を検討しています。

集中治療室における持続的血液浄化法の施行

 

写真は、ICUにおいて、持続的血液浄化法の一つであるContinuous Hemodialysis(CHD)を行なっている様子です。当院ではICU等で血液浄化法の施行が必要となった場合、腎臓内科医師と腎センター臨床工学技士が現場に急行し、治療の適応判断、治療条件の決定、導入、離脱作業を行なっています。

 

特に、最近、敗血症性ショックに対してこのような持続的血液浄化法の導入により、循環動態の改善効果が得られることが報告されていますが、当院では小分子領域の透析効率を積極的に増加させたHigh Flow CHDを適応することにより、著明な循環動態の改善効果と良好な治療予後が得られることを報告しています。その他にも、回路トラブルによる緊急回収が少なくなるように、技術的工夫も行なっています。

バスキュラーアクセス機能評価

 

適切な透析効率を実現するためには、適切なバスキュラーアクセス(シャント)が必要となります。このようなバスキュラーアクセスの機能(十分な血流量が確保でき、かつ、透析された血液を再び透析回路に引き込まない)を評価することが重要です。

 

川崎医科大学附属病院では、このようなVA機能評価として、当院で開発した透析効率の指標:クリアランスギャップを中心に、実血流量や再循環を測定できるHD02を併用することにより、 VA管理に臨床工学技士が積極的に関与しています。このような取り組みを通じて、患者さんに適切な透析量を実現することができ、透析不足や合併症などを引き起こさないように努めています。

透析機器の保守点検作業

 

慢透機器の保守管理作業は、年間計画を立てて臨床工学技士が実施しています。保守点検作業の内容としては、日々の透析治療が安全に施行できるように行う使用前点検や半年に1回、全透析装置を対象に実施する定期点検、また、メーカーの推奨する期間に消耗部品の交換やセンサー等の校正作業を行うオーバーフォールなどがあります。

 

写真は、透析液を作成するために必要な逆浸透(RO)装置の定期点検を行なっている様子です。RO装置とは透析原液を希釈するために必要な純水(RO水)を精製する装置であり、常に純度が高く清潔なRO水が精製できるよう、保守管理を行なっています。

 

また、 2014年4月より、腹膜透析装置の中央管理化を実施しており、 腹膜透析関連蔵置を安全に使用できるよう努めております。

透析液の清浄化管理

 

川崎医科大学附属病院では、透析液中のエンドトキシン濃度ならびに生菌の測定を行っています。エンドトキシンの測定は、当院中央検査部にて、和光純薬のトキシノメーターを使用して測定しております。また、生菌測定には、メンブレンフィルター法を用い、腎センターにて培養、評価を行っています。

 

写真は、MFに透析液サンプル50mlを流した後に、培地( TGEA培地)を流しているところです。このような検査を定期的に行う事により、超純水透析液の基準を満たす透析液の供給を実現しています。

 

現在、 on-Line HDF対応機を設置したことから、 on-Line HDFの導入に向けて、川崎医科大学附属川崎病院と連携をしながら、on-Line HDFの導入準備を進めております。


腎センターの実績 平成25年(1月~12月)

維持外来透析:18名
入院透析:654名
年間:6,910透析

 

腹膜透析:33名(内 腹膜透析導入:10名)
特殊血液浄化法:424件
  • 持続血液浄化法(CHD,CHD+PMX):155件
  • 白血球除去療法(G-CAP+L-CAP):206件
  • LDLコレステロール吸着法(LDL-A):13件
  • 腹水濃縮再静注法(CART):30件
  • 単純血漿交換法(PEx)、二重濾過血漿交換血漿吸着、血液直接吸着:20件